将来は古着店か、プロスノーボーダーか。
高校時代、当社社長の山下はそんな夢を描いていました。
今回ご紹介するのは、そんな当社社長が歩んできた、仕事との向き合い方。
人生や仕事に迷いながらも、一歩一歩進んできたリアルなストーリーをお届けします。
「好きなことだけじゃ生きていけない」
「でも、好きだったから頑張れた」
そんな本音とともに、高校生だった自分へ、そして今進路に悩むあなたへ向けたメッセージをご紹介します。
好きなことをやりきったアパレル時代
高校を出たら、何の仕事をするか?
10代のころは進路に悩みながら、自分の「好き」に正直に進んできました。
まずは、古着が好きだった学生時代とアパレルでの仕事についてご紹介します。
高校を卒業して、どんな進路を考えていましたか?
当時は古着が好きで、アパレルの道に進みたいと思っていました。
実はスノーボードにも熱中していて、そちらで道を拓けたらという気持ちもありましたが、スポーツは続けられる期間と能力に限りがあると感じていたんです。
その点、アパレルなら長く携われるのではと思い、専門学校に進学して本格的に学びました。
アパレルの仕事に就いてからは、どんな生活をしていましたか?
大阪の堀江というエリアで、古着店のスタッフとして働いていました。
当時の給料は手取りで14万円ほど。家賃や光熱費を差し引くと、手元に残るのはほんのわずかでした。
ただ生活は厳しかったですが、それでも毎日が充実していたんです。好きな服に囲まれて、自分の好きな世界にいられることが本当に楽しくて。
職場の人間関係にも恵まれて、やりがいのある日々でした。
将来について考えるようになったきっかけは?
20代半ばになり、結婚や家族を持つことを現実的に考え始めたときです。
「このままの収入では、将来に不安が残るな」と思うようになりました。
その頃、父から「帰ってこないなら、会社のことは他の従業員に任せる」と言われたことも重なって、自分の中に“家業を継ぐ”という選択肢があったことに気づいたんです。
転機と板金の世界への挑戦
やりたい仕事をやりきって、「このままでいいのか」と考えるようになった20代。
転職や地元へのUターンを考えたとき、選んだのが板金の世界でした。
ここでは、そのきっかけや当時の葛藤について語ってもらいました。
どうして板金の仕事に進むことになったのですか?
アパレルの仕事はすごく楽しくて、人間関係にも恵まれていました。でも、結婚したいという気持ちや、いつか家族を持ちたいという思いが強くなるにつれて、ふと将来に不安を感じるようになったんです。
そんなとき、父から「帰ってこないなら、会社のことは従業員に全部渡すぞ」と言われました。
もちろん“家業だから継がなければいけない”と思ったわけではありません。ただ、その言葉をきっかけに、「自分の中に、少しでもこの仕事に関わりたいという気持ちがあったんだな」と気づきました。
いろいろな想いが重なって、「ちゃんと本気でやってみよう」と決意し、板金の世界に飛び込みました。
板金の仕事を始めたばかりの頃は、どんな毎日でしたか?
正直に言うと、最初の頃は本当にしんどかったです。仕事はまったく分からないし、何をやっても怒られる。技術も知識もない、ゼロからのスタートだったので。
教えてくださった親方は優しい人でしたが、仕事にはとても厳しくて、常に緊張感がありました。毎日怒られながら、「向いてないんじゃないか」と何度も思いましたし、辞めようかと思ったことも一度や二度ではありません。
それでも踏みとどまれたのは、帰ってくる前に、母から言われた「覚悟がないなら帰ってくるな」という言葉があったからです。
ようやく手応えを感じ始めたのは、始めてから5年くらい経った頃だったと思います。
「めんどくさいけど、面白い」──続ける理由と伝えたいこと
板金の仕事を始めてから20年以上。
「何度も辞めたいと思った」と話しながらも、今もこの仕事を続けているのはなぜなのか。
仕事の難しさとやりがい、そして進路に迷う高校生に向けたメッセージを聞きました。
板金の仕事で、最初に難しいと感じたのはどんなところですか?
図面を見ただけで完成をイメージするのが難しかったですね。実際に建物が立っていく中で、どう収めていくかを考える力が求められる仕事です。特に大工さんとの打ち合わせや現場でのすり合わせは、最初はかみ合わないことばかりで…。自分の想像力や引き出しの少なさを痛感しました。
でもそのぶん、「こうだろうな」と考えていたことがぴたっとハマったときの快感は大きいですし、経験を重ねるほどに対応力がついてくる。そこがこの仕事の面白さですね。
辞めずに続けられたのはなぜですか?
めんどくさいけど、おもしろい。まさにその一言です。
毎日違う現場で、違う課題があって、正解がひとつじゃない。だからこそ、乗り越えるたびに「自分はちゃんと成長してる」と実感できます。
結婚して子どもができて、守るべき家族がいるというのも大きかったです。自分だけの人生じゃなくなったときに、仕事を続ける意味が自然と変わっていきましたね。
進路に悩む高校生へのメッセージ
自分が本当に好きなことに、まずは全力で取り組んでほしいです。僕もアパレルの仕事に夢中になった経験があったからこそ、次に進む決断をするときに後悔がなかった。
続ける中でやりがいは自然と育っていくし、自分の役割が見えてくるようになる。今は迷っていても、やってみた先にしか見えない道があるから、まずは動いてみてほしいですね。
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今回のインタビューでは、「好きなことに夢中になること」と「責任を持って働くこと」は、どちらかを選ぶものではなく、どちらも経験したからこそ見える景色がある──そんなメッセージが込められていました。
進路に迷うのは、当たり前のこと。
どの道が正解かは、やってみなければわかりません。
だからこそ、私たちは「やってみたい」と思える仕事との出会いを大切にしています。
そして、一歩を踏み出した人を、長く、安心して働き続けられるように支える環境づくりに取り組んでいます。
山下板金では、これからも若い世代との出会いを楽しみにしています。